在留資格「特定技能」 制度の詳細【Top】

在留資格「特定技能」制度とはどのような制度なのでしょう?

特に中・小規模事業者で深刻化する「人手不足」。

生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある特定の14産業分野において、

  • 一定の専門性・技能を有し
  • 即戦力となる外国人
を受け入れていく為の制度です。

2018年12月の臨時国会で可決成立し、2019年4月より開始されました。

特定技能1号

「特定技能」には1号と2号がありますが、「特定技能1号」については 通算5年まで労働者として在留が可能になる制度です。

技能水準(分野別に設定されている試験で評価)と日本語能力(JLPT日本語能力試験等で評価)を 証明することが一番の条件となりますが、 業務区分が同一の「技能実習2号」を良好に修了した者については試験が免除されます。

「特定技能1号」の主な条件
  • 在留期間:通算5年まで。1年/6か月/4か月毎の更新が必要
  • 技能水準:試験等で確認
  • 日本語能力:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認
  • 家族帯同:基本的に不可
  • 企業の支援:必須(登録支援機関へ支援の委託:可能)

特定技能2号

外国人の方が中長期に日本での就労のための在留資格であることは変わりありませんが、 諸条件を鑑みる限りいきなり「2号」から申請することは、あまり現実的ではなく、 「1号」を修了したものが「2号」を取得する事が現実と考えられる制度です。 2分野(特定14分野中、建設及び介護分野)についてのみ、移行可能となります

求められる技能水準
特定産業分野【14分野】は下記のとおり
  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 素形材産業
  4. 産業機械製造業
  5. 電気・電子情報関連産業
  6. 建設※
  7. 造船・舶用工業※
  8. 自動車整備
  9. 航空
  10. 宿泊
  11. 農業
  12. 漁業
  13. 飲食料品製造業
  14. 外食業

※2分野(建設及び造船・舶用工業分野)については特定技能2号の受入れが可能

技能実習制度の「職種・作業」とは異なります

「産業分野」として対象かどうかが判断されます。またさらに、各分野の中で「職種」 が細かく設定されています。技能実習制度において認められている「職種・作業」とは分別する基準が異なりますので ご注意ください

又、その運用方針・運用要領・評価試験・実施機関は、所管の省庁等毎により定められています。

【図】受入れ可能な特定産業14分野:介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業

まったく違う制度

「特定技能」は「技能実習制度」修了者を延長して雇用するための制度ではございません。
技能実習制度と特定技能は目的をはじめ、まったく違う制度です。5つのポイントを下記にあげていますが、 外国人の方を「実習生」として見るのかそれとも「労働者」として見るのかが、制度を考える時に判断の基準となります。

<ポイント1:制度の目的>
  • 特定技能:人手不足解消
  • 技能実習:国際貢献、技能移転
<ポイント2:企業様に置ける責任の範囲>
  • 特定技能:一般的な雇用(日本人と同等)と日本での生活支援(支援計画の提出が必要)
  • 技能実習:技能の指導と日本での生活指導及び生活環境の整備
<ポイント3:転職について>
  • 特定技能:同一職種であれば転職可能(職業選択の自由が認められています)
  • 技能実習:実習計画に基づいた「実習活動」となる為、転職は基本的に不可となります。
<ポイント4:受け入れ人数の制限>
  • 特定技能:人数制限なし=人材不足解消の為の制度ですので制限はありません(一部例外あり)
  • 技能実習:人数制限あり=実習計画に基づいた適切な指導ができるように人数制限がございます。
<ポイント5:組合の立場>
  • 特定技能:「支援機関」特定技能者に対する必要な支援を企業様より請負う
  • 技能実習:「監理団体」企業様を監理監督する義務

このように2つの制度は目的から責任範囲までまったく違う制度です。しかし、どちらの制度においても働く当人は「労働者」としての権利を持ち、受入れする企業様には人を雇用するにあたっての義務が生じます

# 技能実習(団体監理型) 特定技能1号
関係法令 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律/出入国管理及び難民認定法 出入国管理及び難民認定法
在留資格 「技能実習」 「特定技能」
在留機関 1号:1年以内、2号:2年以内、3号:2年以内(合計で最長5年) 通算5年
外国人の技能水準 なし 相当程度の知識又は経験が必要
入国時の試験 なし(介護職種のみ入国時N4レベルの日本語能力要件あり) 技能水準,日本語能力水準を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除)
送出し機関 外国政府の推薦又は認定を受けた機関 なし
監理団体 あり(非営利の事業協同組合等が実習実施者への監査その他の監理事業を行う。主務大臣による許可制) なし
支援機関 なし あり(個人又は団体が受入れ機関からの委託を受けて特定技能外国人に住居の確保その他の支援を行う。出入国在留管理庁による登録制)
外国人と受入れ機関のマッチング 通常監理団体と送出機関を通して行われる 受入れ機関が直接海外で採用活動を行い又は国内外のあっせん機関等を通じて採用することが可能
受入れ機関の人数枠 常勤職員の総数に応じた人数枠あり 人数枠なし(介護分野,建設分野を除く)
活動内容 技能実習計画に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動(1号)技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動(2号,3号)(非専門的・技術的分野) 相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動(専門的・技術的分野)
転籍・転職 原則不可。ただし,実習実施者の倒産等やむを得ない場合や,2号から3号への移行時は転籍可能 同一の業務区分内又は試験によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間において転職可能

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