みなさんこんにちは!ジャカルタの下村です。
こちらではアパートのWi-Fiが不安定なのでよくスタバで仕事をするのですが、毎回同じお店に行くのでとうとう店員さんに名前を憶えられてしまいました・・・
オーダーの際に名前を聞かれるので毎回「シモだよー」と答えていたのですが
だいたい呼ばれる際は「ミスターシモン!」・・・そりゃその方が一般的だよね。
インドネシア人の名前について
はい。というわけで今回はインドネシアの方の お名前 の話です。
面接の際 履歴書を読むと本当に色々な名前を目にします。
イスラム系の名前、欧米系の名前、聞いたことのないタイプの名前・・・様々です。
名前の構成
我々日本人は基本的に全ての人間が 苗字 + 名前。ミドルネームはありませんね。
我々になじみが深い中国の方も同じく 苗字 + 名前。
ベトナムの方は 苗字 + ミドルネーム (+ ミドルネーム) + 名前。
本当に時々、苗字の無い方もいましたが基本的には上記の形が多いですね。
しかし、ここ インドネシアでは 名前についてこれらの国々とはまた違った考え方があるようです!
インドネシアの色々な名前
まず、よく目にするのがイスラムに縁が深い印象のお名前
イスマイル、アフィフ、イルファン、ラマダン、ムハマド、アフマド、などなど。
そして、意外と多く目にするのが欧米系のお名前
アルディ、アニタ、ダイアナ、アンドレ、アウディ、オリビア・・・
ただ、こういった方たちも 名前が欧米系と言ってもクリスチャンというわけではなく、
宗教はイスラム教です。
また、実習生の候補者になる事はなかなかない様子ですが華僑の方もこういった欧米系の名前が多いという話を聞きます。
珍しい(?)ところではモチ、ガリ と言った日本人にはおいしく感じてしまう名前も。
(ちなみに現在インドネシアの海洋水産大臣はなんとスシさん ですね!)
この他、バグス(インドネシア語で素晴らしいの意味)や、ヌル、ヌルディン(ヌルは光の意味)
デヴィ(女神の意味)といったようにインドネシア語で意味を持った名前もあります。
エカ、エサ、エコと言った、1番目の子供につける名前、ドゥイと言う2番目の子供につける名前があったり、プトラ(男性)、プトリ(女性)といったように、男女でほぼ共通の名前もある模様。
こういった名前の付け方は日本とそう変わりませんね。
現地の人に聞いてみた
兼ねてからの疑問だったこの話をインドラさんという方に尋ねてみました。
宗教と名前
本来、インドラというのはヒンズー教の神様の名前ですが彼はイスラム教徒。
その点に少し疑問を感じていましたが、彼の答えは非常に明瞭。
「私はイスラム教徒です。過去、ジャワ島(ジャカルタのあるインドネシア本島)ではヒンズー教が多かった時代があり、その時代の名残です。女子の場合、インドリという名前もあり、どちらも長男、長女の名前です。」
また、こんなお話も。
「ムハマドやイスマイルといったイスラム由来の名前の人はイスラム教徒です。また、インドラなどのヒンズー系や欧米系の名前でもイスラム教の人はいます。しかし、イスラム系の名前で、宗教はイスラムではない人はいません。」
なるほど。
色々な文化が混ざり合っている印象で、本当にインドネシアの方の名前は多種多様です。
日本と同じように、その時代時代で流行りの名前なんかもありそう。
(これも、もっと長くインドネシアという国と付き合えば見えてくる気がしますね。)
苗字がない人 もいる
これはどちらかと言うと多くはないケースですがインドネシアにも苗字がなく、名前のみの方もいます。
ただ、実習生候補者の名前を見ていると体感ですが10名に1人~2人くらいでそう多くはありません。
ネットで調べてみると、過去ジャワ島の方は苗字がないのが一般的だったとも。パスポートを作る際なんかに少し大変・・・と言った話も聞きますが、何名かの苗字がない実習生も無事日本に入国済みなので大きな問題はない様子です。
ミドルネームがある人も そして・・・
と似たインドネシアにもミドルネームを持つ方もいます。
だいたいは1つですが2つのミドルネームを持つ方も。そして、そういった方の中には
例えばミドルネームに ムハンマド の名前がついているのですが 住民登録の段階でも
ムハンマド ではなく M といったようにイニシャルでの登録となっている方もいるそうです。
あまり多くはないケースですが、略しているのではなく登録からM 1文字というのは少しびっくりですね。
みんな「呼び名」を持っている。
ここまでなら、名前に関してはベトナムと似た印象ですが、
インドネシアの場合、もう一つの要素が加わります。
それが、「呼び名」。
短い名前の場合はそのまま呼ばれることが多いですが、自分の呼び名 ニックネーム を持っている方も多いです。が、名前のどの部分がニックネームになるかは人それぞれ。
呼び名の由来は…
例えば・・・
ADITYA SUKMA PRAYUDA(アディティヤ・スクマ・プラユダ)くんは、ADIT(アディット)
これはシンプルですね。名前の頭部分です。
MUHAMAD TAHYUDIN(ムハマド・ターユディン)くんは、YUDI(ユディ)
彼は少し珍しい?パターン。苗字の真ん中がニックネーム。ムハマドさんは多そうだからでしょうか。
FERLI DEXA ARTIKA(フェルリ・デクサ・アルティカ)さんは、DEXA(デクサ)
ミドルネームがそのままニックネームに。彼女の場合、勉強会でフェルリと呼んでいると、
「デクサと呼ばれています・・・(呼んでほしそうに)」と答えてくれました。
呼び名は人それぞれ
このニックネーム、呼び名も本当に人それぞれですね。そして本人の愛着も感じます。
勉強会を助けてくれる送り出し機関の通訳の先生も、「そこがニックネームになるのか!」
と驚く事もしばしばです。
受入企業様も、すでに配属済みの実習生や、これから面接をする場合などには、
「呼び名はなんですか?」や、「あなたの名前はインドネシア語でどんな意味?」
を、聞いてみるのも良いかもしれません。
そして是非、インドネシアでの呼び名で読んであげてください。
実習生もきっと、日本でもインドネシアで呼ばれていた名前で呼んでもらえれば嬉しいはず!
それでは 今回はこの辺で。